戦場カメラマン小僧ヨスガノ体験記録 ファイルNo.1 の続き
実にこの戦場にマッチした衣装だった
いや この場に合わせて武装というべきか
この状況は黒髪の彼女にとって とてつもなく危険な気がする
無論 私にとっても危険なことに変わりはない
ここにいる全ての軍隊 軍人が彼女の味方に見える
黒髪の彼女に何か言ってるようだがこちらには聞こえない
何を話しているのかとても気になる
黒髪の彼女に目をやると 彼女はまるで時間でも止まっているかのように
まったく動かず その場で構えていた
無理もない
突然変身し武装した相手を目の当たりにすれば
驚き 警戒し 距離をとり 考える であろう
普通の相手なら 自分が勝てる相手なのかどうか 見極めるが
黒髪の彼女にとってこの状況は・・・
・・絶望的・・・
私は 別にどちらの味方でもなんでもないが
弱き者を見ると応援したくなるものなのだろうか
この現状に 黒髪の彼女をひいき目で見ていた
辺りを見回すと なおも激しい戦闘が行われている
彼女たちの周りだけ 時間の流れがスローモーションのようにも感じた
この状況に 黒髪の彼女は何を思っているのだろう
まったく怯んだ様子はない
それどころか
黒髪の彼女は驚く行動にでた
黒髪の彼女がゆっくりと姿勢を低く落とした
次の瞬間
黒髪の彼女は 勢い良く銀髪の彼女に向かってダッシュした
それは私の想像を裏切る行動だった
同じく銀髪の彼女もまた裏切られたようだった
普通は銃を所持した相手に対して素手で向かっていく奴はいない
銀髪の彼女もまたそう考えるであろう
しかし 黒髪の彼女はそう考えるであろう相手の思考を読んだのか
油断している銀髪の彼女への先制攻撃を成功させた
「彼女… 何者なんだ?」
一瞬だったがその瞬間を私は見逃さなかった
肩から肘に繋ぐ連続技はとても華麗で
一気に相手の懐に飛び込み攻めるその攻撃スタイルは
彼女の見た目からは想像できないくらい豪快な攻めだった
上空から銃弾が流れてきた
ヘリの機関銃は黒髪の彼女を狙っているようにも思えたが
黒髪の彼女は動じずに目の前の敵にだけ集中し
攻撃を休めることはなかった
肩 肘から掌打の三連撃を見事にきめた
直接戦っているわけでもない
私は目の前の戦いに熱くなっていた
だが私も腐ってもカメラマン小僧の端くれ
ここにある事実を残そうと
私は私なりの「任務」をまっとうすべくカメラを構えた
誰が誰と 何のために戦っているのかなんてわからなかった…
上空でうるさく機関銃を撃ちまくっていたヘリが小破する
ヘリが墜落する!?
その軌道につい気を取られてしまった私は
彼女たちの戦いから目をそらしていた
・・・
…そして
次に私のカメラが
銀髪の彼女のパンチラを捉えたとき
銀髪の彼女をフォーカスしたとき
彼女の様子が違っていることに気が付いた
彼女は元の姿に戻っていた・・・
続く