戦場カメラマン小僧ヨスガノ体験記録 ファイルNo.4 の続き
「負けるな! 黒髪ちゃん」
はい 負けません!
「えっ」
私の声掛けに対して 突然アタマに直接返答がきて驚いた
私は直接アタマに話しかけられる経験など
この瞬間がはじめてであり どう対処してよいかわからず
「えっ どちら様ですか?;;;;」
と普通に言葉として発声していた
貴方 が応援してくださっている 黒髪ちゃん ですよ(笑)
・・・なんだ~ 黒髪ちゃんか・・・(ホッ)
「うぉおおおおおおお」
ホッ じゃねーよッ!
まるで憧れのアイドルに話しかけられたかのような喜び
アタマに直接テレパシーとでも言うような彼女からの返答にもかかわらず
ソレにはちゃんと「彼女の声色」があった
見た目の清楚なイメージとピッタリの可愛い綺麗な「声」だった
彼女からの返答で舞い上がっていた私だが
戦いの真っ最中であることを思い出した
「えっと・・・ お名前は?」
この期に及んでアホな質問をしている自分に呆れるよりも早く彼女は応えてくれた
こころ です
色々と驚かせてしまってすみません
まさか 私 た ち の存在に干渉できる人がいるとは思っていませんでした
後で ゆっくり お話しますね
今は 見ていてください! た た か い を(笑)
「ふぐォッ;:」
お見通しかょ;(赤面)
そう言うと彼女はこれまでの戦いでは見られなかった超スピードで
銀髪の彼女の背後に回りこんだ
どこにそんな体力が残っていたんだ・・・
固唾を呑んでその戦いを見守ることにした
背後に回りこまれていたことにさえ気付いていなかった銀髪の彼女
これまでの戦いを客観視していた私には
黒髪ちゃん と 銀髪の彼女 の強さを 五分五分 あるいは 四分六 ぐらいで
銀髪の彼女が優位に立っているように見えていた
しかし どうだろう
私はどこか勝手な勘違いをしているだけかもしれない
ここにきて超スピードで背後を制したこころちゃんを見て
わりと平気そうな雰囲気でアタマに話しかけてきた現状から・・・
なんかいけそうな気がする~(白目)
いや フザケているわけではないのだけれど
今までの恐怖心がウソのようになくなり
ひとつの言葉がイメージできた
好機!!
私もすかさず超スピードでカメラを構え直した
「た た か い を」と釘を刺されたにもかかわらず
手が勝手にソレを捉えてしまう
どこまでも愚かしい私だが これも サービス精神 ってやつでもあると
理解してもらえると幸いである
だが今 注視するのは ソコ じゃない!
カウンター狙いの鋭い蛇拳を寸の差でかわす!!
力強く握りこまれた拳が銀髪の彼女の懐を狙う!!!
「ドゴォおッ」
今までは聞こえてこなかった打撃音だったが
この時だけはハッキリと聞こえた気がした
それもそのはず
私は興奮のあまり いつの間にか身を隠していた物陰から出て
試合場で言うところのリングサイドぐらいの距離まで接近していた
こころちゃんの肉声が聞こえる
はなはさくらぎ ひとはぶし
今なんて言った?
今はその言葉を聞き返すことや意味を考える余裕などなかった
続く